「キッチン」というと、「私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う」で始まる吉本ばななさんの小説を想い出す。内容を正確に覚えてはいないのだが、小説に登場するキッチンはたしか対面型ではなかった。台所と呼ぶところは、私のイメージの中でも、ほが後ろ姿で立って洗い物をしていなければならない。その後ろ姿に、人が一生懸命なにかをきれいにしようとしているときの美しさがなければいけない。だとすると、壁に向かって設置されたシンプルな1型のキッチンがいい。
[おすすめサイトのご紹介]
> 那珂市の中古住宅
> 静岡市葵区の中古住宅
> 代官山の中古マンション
> 上本郷の一戸建て
> 浅草橋の賃貸
しかし、ロンドンとパリで体験したL字型キッチンは、モノを置くスペースが広く、使いやすかった。パリではとくに、台所とつながったリビングで遊ぶ子どもたちの気配がよくわかるつくりだった。だから対面型キッチンも魅力的だ。もしかしたら私たちは、むこう向きで洗い物をする母や祖母の後ろ姿に懐かしさを感じる以後の世代かもしれない。対面型がどんどん普及するなかで育ついまの子どもたちは、いつもこっち向きのお母さんやお父さんが食器洗い器にお皿を収める姿などに、40年、50年して、ある種の郷愁を感じるのだろうか。