「はじめは、いい土地だと思ったんです。環境もいいし、なにより安かったから。でも打ち合わせが進むにつれて、なにかおかしいんです。すべてがオプション扱いで、どんどん金額が上がっていくんです。最初は、建物の金額が1500万円だったんです。不動産業者にもこれだけしかかからないと言われました。でも気がついたときには2000万円をゆうに超え、とても払える金額ではなくなっていたんです。しかも自由設計って言ってたのに……」「なるほど、建築条件付の土地を購入したんですね」「そうです。建築条件付って言っていました。でも最初に土地が3000万円で建物が1500万円って言っていたのに、そんなことってあるんですか。金額が1000万円近くもオーバーしたらとても払えません。詐欺だって訴えたんですが、不動産業者はとりあってくれません」「そうでしょうね。土地の契約と建物の契約を同じ日にしたでしょう。本当は土地の契約だけでいいんです。建築条件付というのは、建築する業者が決まっているだけで、建物の契約は3か月をめどにすればいい。金額が合わなければ白紙解約できるんです」「あとから知りました。弁護士にも相談しましたし。でももういいんです」「えっ、もういい?」「手付金を放棄して解約しました。だからもうそのことはいいんです」強い口調で言い放った。
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