ある日、彼女からこんなことをいわれた。「生活はべつにきつくなってもいいから、ちゃんと将来性のある仕事についたら」その言葉に一大奮起したわたしは、就職情報誌を読みあさった。なんとなく目についたのが、不動産の会社だった。大学時代にやっていたラグビー部の先輩で、不動産業界で成果をあげている人がいた。その人に相談したら、「悪くない会社だ」と教えられた。「なんなら、おれが推薦してやろうか?」と親切に言ってもらったが、わたしとしては、コネで就職するのはいやだった。
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だから、正真正銘自分の力で、と思って試験を受け、入社した。そこは、非常に強い販売力を持った会社だった。結果さえ出れば、年齢に関係なく、どんどん出世できる体制があった。わたしは、それまでのアルバイト生活では、けっこう収入があったのだが、サラリーマンになって、いきなり手取り十五万円になってしまった。これではどうしても生活かつらい。早く一人前になりたくてぃガムシャラに仕事をした。その結果、半年でトップセールスマンになった。