強力なブランドイメージの構築だろう。たとえば、三井不動産、三菱地所、住友不動産などに比べてブランドイメージの点で著しく劣っていた野村不動産は、「プラウド」シリーズを開発して、駅前や人気住宅地の土地を多少高くても取得して供給、高級イメージ形成につとめてきた。なかにはこのところ住宅地としての評価が高まっている千葉県浦安市の新浦安のように、相場の5割増しで落札して強引に分譲に持ち込んだケースもあったといわれる。そうした努力によって、消費者の間に、「プラウドマンションは多少高いけれど、人気住宅地のいい場所にあって、住み心地もまずまず」といった評価を植えつけていったわけである。さすがに、そのプラウドでも2007年あたりから駅前や人気住宅地での立地が困難になり、さほど人気が高いとはいえないエリアや、最寄り駅から10分程度離れた場所での分譲などにも踏み切らざるを得ず、2008年後半からは苦戦しているといわれているが、それでも他社に比べるとまださほど極端な落ち込みとはいえず、ジックリと市場の回復を待つゆとりがあるようである。同様のことは、不動産業界の老舗でもある東京建物の「ブリリア」ブランドにも当てはまる。東京建物は、旧安田財閥系の不動産会社として、日本一の歴史を誇る不動産会社。であっても、住宅分野では三井、三菱、住友といった旧財閥系不動産会社に大きく後れをとっていた。その巻き返し先としてブリリアブランドを立ち上げ、イメージを刷新すると同時に、販売手法にも独自の方式を採用した。たとえば、契約者に対して、建設現場の見学会を開催し、現場監督クラスが説明に対応する。また、ホームページ上でも契約者専用のページを設け、工事の進捗具合をレポートするなど、現場の裏側を見せたくないというこれまでの不動産業界の常識を打ち破る仕組みを構築して、一定の評価を得ている。これは、大手だけに限らない。中堅以下のクラスであっても、十分に可能な戦略ということができる。
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