地域のマンション情報手引き

知的創造には大空間がよい

2011.12.02

「これからのビジネスにはワンフロアの広さが必要になる」そう思ったのは、アークヒルズができたときだった。アーク森ビルはワンフロア約3800平方メートル(約1150坪)。わざわざ視覚的に2棟に見えるように軸をずらし、街に壁をつくらないような外観にした。2棟にすれば遠目にはいいのだが、互いに視線が気になるし、1棟にしたほうが足元にも広い空地をとりやすい。しかし、1棟ではフロアが大きすぎるのではないかと心配して、エレベーターホールなどのコアも東西それぞれに設け、東館、西館という呼び名も残したのである。

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しかし、完成すると、外資系金融や情報通信などの先端企業が「こんな大きなフロアがほしかった」といって、続々と入居を決めてくれた。ほかにもこの程度の延べ床面積のビルはあったが、ほとんどが小割り対応のつくりで、ディーリングルームや大会議室などに使える機能と、大空間がとれるオフィスビルがほとんどなかったからだ。当時、日本の大部屋方式のオフィスは貧しい時代の産物とされ、いずれ欧米のように個室の並んだオフィスになるといわれていた。しかし、あるとき、米国の映画を観ていたら、体育館のように柱のない、だだっ広いオフィスで、チームごとに集まってワイワイガヤガヤ仕事をしているシーンが出てきた。大空間は、ロー・パーテイション(低い仕切り)で軽く仕切られ、立ち上がれば全体を見通すことができる。近くの人とのコミュニケーションもしやすいスタイルだった。